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2025年5月25日日曜日

3-6J 高等学校入学者選抜等における配慮等について(通知)

 3-6J 高等学校入学者選抜等における配慮等について(通知)

通知の本文には↓のリンクからアクセスできます。

https://www.mext.go.jp/content/202400625-mxt_koukou01-000026790_01.pdf

また各年度の高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査(公立高等学校)は、↓のリンクからアクセスできます。

令和6年度高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査(公立高等学校)

令和5年度高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査(公立高等学校)

令和4年度高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査(公立高等学校)


 2024年6月25日、文部科学省初等中等教育局長・総合教育政策局長は、公立高校受験における定員内不合格問題に関して一歩踏み出した通知を、教育委員会等に出しました。文部科学省は、各教育委員会に対して定員内不合格を出していない自治体を参考とし、従来の入学者選抜の実施方法を検討するよう求めました。以下は、文部科学省の通知からの引用です(下線部は、情報室による)。

一方で、学ぶ意欲を有する生徒に対して、学びの場が確保されることは重要であ り、そうした観点から、各教育委員会等においては、「令和5年度高等学校入学者選 抜の改善等に関する状況調査(公立高等学校)」(令和5年 12 月文部科学省初等中 等教育局参事官(高等学校担当))等を通じて、定員内不合格を出さないよう取り扱 っている例を含め、他の教育委員会における入学者選抜の実施方法等を参照するな どしていただくとともに、合理的な説明となっているかについて改めて御検討いた だくようお願いします。

  この通知が出されたのは、2022年4月21日の参議院文教委員会における船後靖彦議員の質疑応答で、末松信介文部科学大臣(当時)が「障害を理由に入学を認めないということはあってはならないと考えております」と答弁したことが背景にあります(https://yasuhiko-funago.jp/page-220421/。2023年における定員内不合格の状況は、「4-8J 定員内不合格について」を参照してください。

2025年4月20日日曜日

1-2J. インクルーシブ教育の権利に関する一般的意見4号(2016年)

  

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 国際連合で2006年に障害者の権利に関する条約が成立しました。教育に関しては第24条でインクルーシブ教育が原則とされました。この第24条を詳しく説明しているのが、国連の障害者権利委員会による一般的意見4号です。

 一般的意見4号には、インクルーシブ教育の定義やインクルーシブ教育を実現するためのガイドラインが明示されています。

2024年8月25日日曜日

blog240825J 旧優生保護法は違憲、最高裁判決とその反響 1

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旧優生保護法は違憲、最高裁判決とその反響 1

 最高裁は,6年以上にわたる旧優生保護法の一連の訴訟について次のように結論づけた。

l   強制不妊手術は憲法13条(個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利)と141項(法の下の平等)に違反するものであった

l   国の「除斥期間が過ぎたため訴えは無効」とする主張は信義則に反し、権利の濫⽤として許されない

l   国は原告に賠償をする


最高裁判決を受け,国は,強制不妊手術の被害者の救済に向けて,ようやく動き出している。2024年79日,国会議員は,「優生保護法下における強制不妊手術について考える議員連盟」を立ち上げ,被害者の救済を進めるための新たな法律を検討し始めた。17日には総理大臣が原告に謝罪。29日,内閣府は「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部」を設置し,優生思想及び障害者に対する偏見や差別の根絶に向け、これまでの取組を点検し、教育・啓発等を含めた取組を強化することにした。


国会議員や政府は被害者の救済と,優生思想及び偏見・差別の根絶(以下「優生思想の根絶」) を同時に行おうとしているようだ。しかし2つを同時に行うのは,明らかに間違っている。両者は求められるスピードが違うからだ。


救済は早さが求められる。強制不妊手術の被害者は,高齢化している。 2018年からの各地の訴訟の間にも,数人亡くなっている。当事者が生きている間に十分な救済を行うことは国として当然である。


一方,優生思想の根絶は ,優生思想をもつ政治家,官僚,公務員,そして私たち市民の考えを変えることであり,相当地道に取り組まなければならない。優生保護法は,障害者差別のみならず,「生まれてはいけない」とされた子ども、あるいは「子どもをもってはいけない」とされた外国人やハンセン病の人などにも、被害をもたらした歴史がある。1948年に優生保護法が制定されて以来、近年まで同法に基づく強制不妊手術が問題として扱われてこなかったことは,優生思想を支持する人が大多数であったことを物語る。優生思想の根絶には,計り知れないエネルギーを必要とする。国はそれを分かっているのだろうか。

2024年7月28日日曜日

1-5J 文部科学大臣、日本に対する総括所見を拒否

 文部科学大臣、日本に対する総括所見を拒否

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 2022年9月9日、国際連合障害者権利委員会は、日本政府に対して総括所見を公表した。文部科学省は、同月13日、今後の対応について分離教育を中止しないと記者会見で以下のように語った。

これまでの文部科学省では、このインクルーシブ教育システムの実現に向けまして、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に過ごす条件整備と、それから、一人一人の教育的ニーズに応じた学びの場の整備、これらを両輪として取り組んでまいりました。特別支援学級への理解の深まりなどによりまして、特別支援学校ですとか特別支援学級に在籍するお子様が増えている中で、現在は多様な学びの場において行われます特別支援教育を中止することは考えてはおりませんが、引き続きまして、勧告の趣旨も踏まえて、通級によります指導の担当教員の、先ほどもお話し申し上げましたけれども、基礎定数化の着実な実施などを通しまして、インクルーシブ教育システムの推進に努めてまいる所存でございます。

出典:「永岡桂子文部科学大臣記者会見録」(https://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/mext_00300.html) 

 障害者権利委員会が総括所見で分離教育を中止するよう日本政府に勧告していたが、現行の特別支援教育(分離教育)を中止しないということは、勧告を拒否することを意味する。条約の義務を遵守しないのならば、何のために障害者権利条約を批准したのか。今からでも分離教育を中止し、インクルーシブ教育を実現するべきだ。 

 

 

2024年3月31日日曜日

4-8J. 定員内不合格について

 

1.定員内不合格とは

 定員内不合格とは、高校入試において入学希望者数が定員未満であるにもかかわらず、障害を理由として入学を認めないことです。ただし入学を認めない理由は、一見障害と関係ないように説明されます。例えば「入学試験である一定の点数が取れていない」、「高校教育を受けるだけの能力・適性がない」等です。

 

2.高校の適格者主義

 定員内不合格を正当化する根拠は、1963年に出された文部省の通知です(「公立高等学校の入学者選抜について」)。その別紙「公立高等学校入学者選抜要項」では、高校入試における選抜方針について次のように述べています。

 

 1 高等学校は、高等学校教育の普及およびその機会均等の精神にのっとり志願者のなるべく多数を入学させることが望ましいが、高等学校の目的に照らして、心身に異常があり修学に堪えないと認められる者その他高等学校の教育課程を履修できる見込みのない者をも入学させることは適当でない

 高等学校の入学者の選抜は、中学校長から送付された調査書その他必要な書類、選抜のための学力検査の成績等を資料として、高等学校教育を受けるに足る資質と能力を判定して行なうものとする

 

また1984年の文部省の通知「公立高等学校の入学者選抜について」では、次のように述べています。

 

 1 高等学校の入学者選抜は、中学校長から送付された調査書その他必要な書類、選抜のための学力検査の成績等を資料として、各高等学校、学科等の特色に配慮しつつその教育を受けるに足る能力・適性等を判定して行うものとする

 

これらは、いずれも高校を卒業できないと考えられる子どもが入学するべきではないという考え方(=適格者主義)に基づく者です。この適格者主義は、障害のある子どもが高校で障害のない子どもと共に学ぶ権利を奪う方便となっていて問題です。

 適格者主義は、近年学習指導要領でも採用されなくなってきています。高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説では、高校の目標が「義務教育の成果を発展・拡充させること」にあるため「生徒の実態に応じ義務教育段階の学習内容について学び直し、その成果を発展・拡充させるため」に、「学校設定教科・科目を高等学校の教科・科目として開設すること」は、「高等学校教育の目標に適合するものである」としています。これは学習指導要領が、子どもに合わせて学校が変わる/教育内容を変えるという考え方をとっていることを示しています。この考え方は、障害のある子どもが高校で共に学ぶ権利を保障するうえで重要です。

 

3.定員内不合格の現状

 2023年度には47都道府県中38府県で定員内不合格者がいました。同年度に定員内不合格者数が0人だった都道府県は、次のとおりです。

 

出典:NHK「“障害に関係なく学びたい”高校進学目指す脳性まひの男性」202425日(https://www.nhk.or.jp/shizuoka/lreport/article/005/70/

 

なかでも東京都と大阪府は、教育委員会が定員内不合格を出さない方針を出しています。

 だた、2023年度も各地で定員内不合格が出されました。例えば静岡県立高校を受験した芹澤怜誠さんです(https://www.nhk.or.jp/shizuoka/lreport/article/005/70/)。芹澤さんは、2022年度から2年連続高校受験をして、二度も定員内不合格で高校進学を阻まれています。こうしたことは、静岡県の他、熊本県、千葉県等でも確認されています。高校で学びたい子どもの学習権が保障されないことは、問題です。

2024年3月25日月曜日

4-7-1 脱施設化ガイドライン わかりやすいバージョン



 国連の脱施設化ガイドラインを分りやすくしてみました。
今後はもっと読みやすくする予定です。地域生活するときの説得資料等に使っていただければ幸いです。

参照元:Guidelines on deinstitutionalization, including in emergencies(原文日本語訳(JD仮訳)))

 

緊急事態対応を含む脱施設化ガイドライン

わかりやすいバージョン(ver. 1. 0

I.目的と手続き

段落1

このガイドラインは、障害のある人が自立して生活し、地域社会に含まれる権利を実現すること、障害のある人が入所施設に入ることを防ぐために役立ちます。

 

段落2

このガイドラインは、コロナ前やコロナ禍で入所施設にいる障害のある人の経験(生活の有害な影響、暴力、ネグレクト、虐待、不当な治療、拷問など)を元にしています

 

段落3

障害者権利委員会では、世界中500人以上の障害当事者、市民団体から聞き取り調査をしました

 

Ⅱ.国の、障害のある人を入所施設に入れること(施設収容)を終わらせる義務

段落4

世界中で障害のある人は危険な状況で入所施設に入所させられています。コロナはこの事実を改めて浮き彫りしました。

 

段落5

障害のある人を入所施設に入れることは、障害者権利条約に合っていませんが、世界各国で長く続いてしまっています

 

段落6

障害のある人を入所施設にいれることは、障害者権利条約の数々の条文に違反しています。(第5条、12条、14条、15条、16条。17条、19条、25条など)

 

段落7

施設入所は、障害のある人が自立して生活し、地域に含まれる権利と違います

 

段落8

国は、障害のある人を入所施設にいれること(施設収容)を終わらせ、施設への投資を控えるべきです。施設収容は「保護」や「選択」ではありません。それは緊急事態でも同じ。

 

段落9

施設収容に正当な理由はありません。財源、法律がないこと、スティグマがあることは理由になりません。

 

段落10

個人的な危機(障害の悪化、家族の体調不良、介助者不足など)を抱えるからと言って、施設収容の対象になってはなりません。

 

段落11

脱施設化で目指すのは、障害のある人のあらゆる形態の施設収容、隔離、分離を終わらせることです。

 

段落12

障害のある子どもを入所施設に入れるのは、保護ではありません。分離の一形態であり、有害で、条約に違反します。

 

段落13

国は障害のある人に入所施設から退所する機会を提供しなければなりません。国は新規入所、新規改築をやめてください

 

Ⅲ. 脱施設化のキーポイント

A.施設収容

段落14

入所施設には次のような特徴があります(以下は障害のある人が嫌だと思ったときに問題になります)。

・障害のある人の意に反して、ひとりの介助者が複数人の介助をする

・地域での自立した生活から隔離され、分離されている 

・自分に関わることを勝手に決められる

・誰と暮らすかについて選択肢がない

・スケジュールが決められている

・上から目線のサービス

・生活を監督されている

・障害のある人が集まっている

 

段落15

障害のある人の施設収容は、、障害という理由のみ、または「介護」や「治療」といった理由と組み合わせて、様々なところで行われている

 

段落16

「地域~」という施設もあります。それらはすべて脱施設化をする必要があります。

 

段落17

障害者権利条約の第19条は、入所施設以外の障害のある人の支援について述べています。施設の規模、目的、特徴、入所の期間にかかわらず、施設は条約の趣旨と合いません。

 

段落18 

刑務所など、障害者福祉施設以外の施設にも、障害のある人が多くいる可能性があります。国はそこでの差別も断ち切らなければなりません

 

B.脱施設化プロセス

段落19

脱施設化の重要な点は、障害のある人が、どのように、どこで、誰と暮らすかについて決めることができることです。これにはいろんな努力を組合わせることが必要です

 

段落20

脱施設化は、障害のある人(入所施設に入った経験がある人など)主体で進めなければなりません。次の行動は条約第19条に反します。 

施設の改修、ベッドの増設、大きな施設から小さな施設に移行すること、施設の維持、人権侵害(身体的な制限など)を良しとする法律を作り維持すること

 

C.障害のある人の選択する権利、意思、希望を尊重する

段落21

自立した生活と地域で暮らすことのためには、障害のある人の完全な法的能力、住宅へのアクセス、自分の人生を再びコントロールできることを尊重する必要があります。

 

D.地域に密着した支援

段落22

国は遅れることのなく、質の高い個別支援と、地域のインクルーシブなメインストリームサービスを作りましょう。

 

段落23

自立した生活と地域で暮らすことの重要な要素は、障害のある人が、自らの選択に基づき、日常生活を営み、社会に参加するために必要と思われる支援を受けることです。

 

段落24

障害のある人が、どのような地域サービスを使い、調整し、終了するかを決められるようにする必要があります。その際の支援は公的なものと民間のものがあります。

 

段落25

自立した生活を送るための支援サービスは、障害のある人にとって使いやすいものであることが重要です。

 


 

段落26

地域に密着したサービスには、いろんなものがあります。また、障害のある人が、メインストリーム(障害のないの人が使う)教育、雇用、司法制度、医療などを利用できるようにする必要があります。

 

段落27

パーソナルアシスタンスサービスは、その人のニーズに基づいて個別に、すべての障害のある人に提供する必要があります。入所施設に入れられている人は、施設を出る際すぐにサービスに利用できるように、施設を出る前にパーソナルアシスタンスの仕組みに繋がっておくべきです。

 

段落28

地域に密着したサービスは、分離した施設とつながるサービスが作られるのを防がなければなりません  

 

E.資金と資源の割り当て

段落29

将来の施設を作ったり、維持したりするのにお金を集めるのは(改築を含む)は禁止されなければなりません。投資は自立した生活の支援に向けてください。

 

段落30

国は、入所施設の建設や改修に公的なお金を使うことはやめましょう。お金は地域支援とメインストリームサービスのために使ってください。

 

段落31

国は、入所施設を退所する障害のある人に対し、地域での生活をはじめるときに必要なもの(日常生活用品、現金、食料引換券、利用可能なサービスに関する情報など)を、退所後すぐに提供する必要があります。

 

F.アクセシブルな住宅

段落32

国は、入所施設を退所する障害のある人のために公共住宅を確保したり、家賃補助をする必要があります。但し、退所者を特定の所に住まわせることは障害者権利条約に合っていない

 

段落33

障害者権利条約の第19条に書かれている「居住サービス」は入所施設を意味していません。


 

 

G.障害のある人が参加する脱施設化

段落34

脱施設化を進めていく過程では、入所施設を退所しようとしている人、施設を出た障害のある人の意見を優先させる必要があります。施設を運営に関わる人が、脱施設化に影響を与えることを防がなければなりません。

 

段落35

施設にいる人、施設から退所した人、施設に入る可能性がある人には支援と情報が必要です。

 

段落36 

国が脱施設化を計画する際は、障害者権利条約第19条、障害のある人を入所施設にいれて社会からの排除することの悪影響、脱施設化の必要性について国民に理解してもらえるようにしなさい。

 

Ⅳ.障害のある人と多様性を大切にした脱施設化

段落37

すべての障害のある人には地域で生活する権利があります。一部の人に対して、自立して生活できない、施設に留まるべき、と決めつけることは差別です。

 

段落38 

家族に手伝ってもらうことは全く問題ではありません。但し、これははっきりとした本人の同意によるもので、国はその家族に対して十分に支援をする必要があります。

 

A. 交差性

段落39

入所施設に住んでいたり、入所施設から退所するのある人の差別、隔離、分離、その他の形態の虐待に取組むためには、その人の人種、性別・ジェンダー、年齢、機能障害、入所経験などを考えていく必要があります。

 

段落40

差別は障害のみの理由で起るのではなく、その人の特徴や支援サービスの不足の組合わせで起ります。その差別が施設収容につながります。

 

段落41

脱施設化を進める際は、交差性を考える必要があります。

 

 

B.障害のある女性

段落42

国は、性別やジェンダーに関する次のことを考えて脱施設化の計画を考えてください

·       障害のある女性は、他の女性と比較して、暴力、搾取、虐待のリスクが高い

·       入所中に強制避妊、強制中絶、不妊手術などに遭うリスクがある

 

C. 障害のある子どもと若者

段落43

障害のある子どもにとって、脱施設化は、家族と一緒に生活していくことです。グループホームは、子どもにとって特に危険です。入所を進める国際基準は、条約に反してます。

 

段落44

障害のある子どもは家族と一緒に生活する権利を持っています。「家族」には既婚・未婚の親、片親、同性同士の親、養子縁組家族、親族、きょうだい、拡大家族、代理家族または里親が含まれます。孤児院、入所施設、グループホーム、子ども村などには寄付しないでください。

 

段落45

施設を入ると余計、機能障害が悪くなる可能性が高いです。障害のある子どもと家族への支援は早い時期から、メインストリームで行う必要があります。

 

段落46 

子どもは短い間家族から離れただけで、大きな苦しみやトラウマ、感情的・身体的な機能障害を引き起こます。子どもを施設に入れないことが大事です、 

 

 

段落47

条約234項は、子どもに障害、親に障害があっても、親子分離を禁止しています。国は、子どもの施設入所を防ぐための支援と合理的配慮をしなさい

 

段落48 

障害のある子どもは、すべての子どもと同様に、自分に関することについて意見を聞かれ、その意見が大切にされます。

 

段落49

子どもが施設入所を選ぶはずはありません。障害のある若者にはどこで誰と暮らすかを選択する機会を与えてください。

 

段落50

障害のある子どもと若者に対し、パーソナル・アシスタントやピアサポートを含む地域支援サービスを創る必要があります。国は、障害のある子どもを普通学校(mainstream schools)に入れ、施設に入れる圧力の増大につながる分離教育から防ぐことが大事です。

 

段落51

子どもを施設に入れないために、家族と子どもが必要な情報を得やすいようにしなければなりません。支援者への研修には障害の人権モデルの視点が大切です。

 

D. 障害のある高齢者

段落52

脱施設化の取り組みは、認知症がある人など障害のある高齢者も対象としなければなりません。地域の支援とサービスで年齢による差別は起こしてはならない。

 

Ⅴ.法的に脱施設化できるようにする

段落53

国は、障害のある人が自立して生活し地域に含まれることを妨げる、法例を廃止し、実践を修正・廃止すべきです。法令は、障害のある人の完全なインクルージョンを可能にし、施設の閉鎖に向けた脱施設化を実現するものでなければなりません。

 

段落54

脱施設化の法令は、パーソナル・アシスタンスを受ける権利など自立して生活し、地域に含まれる権利を法的に認めるものでなければなりません。

 

段落55

障害のある人の法的能力を認める法令の改正は、脱施設化と同時に直ちに実施されることが重要です。障害のある人(入所施設に入っている人を含む)が、後見人、強制的な精神医療処置の対象である場合、すぐに解除されるべきです。

 

段落56 

脱施設化について、障害のある人が国・施設側に対し法的に訴え出ることは必要です。とくに施設で性暴力を受けている女性にとって重要です。国は、障害のある人が司法につながりやすくするべきです。

 

段落57

施設にいて自ら苦情を申し立てることができない場合、国内人権機関および擁護団体が訴え出ることができます。

 

段落58

障害を理由に自由を制限する法令は廃止すべきです。例えば、子どもを含む精神科入院に関する規定です。

 

段落59

国は、障害による施設収容が、「差別」であると認めるべきです。

 

段落60

国は脱施設化にためになる、法令、政策、予算、支援サービス、人材を、整備する必要があります。

 

段落61

法令を見直すときのポイントは3つです

 

段落62

法律は障害者権利条約に合うようにしてください

 

段落63

いまある入所施設のお金やその施設が果たしている役割について把握し、どのように地域に移すかを考える必要があります。

 

段落64

いまある地域サービスについて把握する必要があり、障害のある人にとって利用しやすくすることが大事です。

 

段落65

地域サービスをはじめるときのポイント(障害のある人と協議しながら)

 

段落66

国は脱施設化を進める際、施設で働く人のことを考える必要があります。彼らをどのように条約に合うサービスに転職させることができるかと言うことです。

 

段落67

脱施設化の計画は、きちんと行程やスケジュールがあり、十分な予算をもって進める必要があります。

 

段落68

脱施設化の戦略と行動計画は、障害のある人(とくに施設経験のある人)と協議し作成された宣言・声明を元にしたものにしてください

 

Ⅵ.インクルーシブな地域支援サービス、システム、ネットワーク

A.支援システムとネットワーク

段落69

支援システムとネットワークとは、障害のある人の意志決定を大切にした生活を支える家族、友人、隣人、あるいは信頼できる人々とともに作り上げるものです。障害のある人が自立して生活し、地域に参加する権利を行使するために必要です。

 

段落70

国は、障害のある人が地域で暮らすサポートをする当事者グループや団体(ピアサポートや自立生活センターなど)に支援をしてください。

 

段落71

国は、制度以外の支援も認め、地域や家族が必要に応じて研修と支援を受けるようにすべきです。

 

段落72

 支援者、支援サークル、支援ネットワークは、障害のある人本人によってのみ選択される必要があります。第三者によって選択されるものではありません。

 

段落73

ピアサポートは、施設や医療専門職から独立し、障害のある人によって自律的に組織されなければなりません。

 

段落74

障害のある人が家族から支援を受けることを決めた場合、家族への適切な支援サービスが提供される必要があります。このようなサービスは、たとえ短期間であっても、障害のある子どもや大人を施設に入れることを意味しません。

 

B.支援サービス

段落75

支援サービスは、障害のある人の意思と希望を尊重する人権モデルでやりましょう。医学的基準だけを使ったり、または医学的基準に頼らないこと。医療専門職は決定権を持ちません。

 

段落76

国は、医療システム以外(精神保健の診断または治療を必要としない)のサービス選択肢を用意すべきです。

 

段落77

リハビリテーションなどの支援サービスは分離させてはならず、障害のある人の隔離や孤立を強くするものであってはいけない。

 

段落78

支援サービスの財源はゆとりがあるべきで、お金が無いから支援できないことはあり得ません。いろんな障害のある人の要求と希望に応えるため、新しい形態の支援を創りましょう。

 

段落79

国は、障害のある人が施設から出て実家に戻る選択をしても、一人暮らしをする権利は保証しなければなりません。

 

段落80

支援は、利用する障害のある人が主体になるべきです。いやいや受入れたり、障害のある人の自律性、自由またはプライバシーを侵害する方法で提供されたりしてはなりません。

 

段落81

高齢の障害のある人に対する支援は、その人が地域のなかで自分の家でずっと暮らせる機会を提供すべきです。

 

段落82

障害のある子どもには、特有のサービスが必要です。しかしそれは、子どもの分離、排除、または放置をするものになってはいけません。

 

C.個別支援サービス

段落83

国は、すべての障害のある人(とくに施設を退所する人)が、必要に応じてパーソナル・アシスタンスを確実に利用できるようにすべきです。彼らにはパーソナルアシスタンスに関する情報を与えてください。

 

段落84 

国は、いろんな種類の個別的で人間中心の支援サービスを提供すべきです。

 

D.支援機器

段落85

国は、ハイテクやローテクの必要な支援機器を提供すべきです。

 

E.所得支援

段落86

国は障害のある人に対して、基本的な所得保障と、医療および障害関連費用(施設収容による被害を修復するために必要なものなど)をカバーする支援を提供すべきです。その支援はその人のライスステージに応じて変えていく必要があります。

 

段落87

国は世帯や職業に関係なく、すべての障害のある人が自立して生活するための費用をカバーする支援を受けることを保証すべきです。

 

段落88

施設の外でどこで誰と暮らすか、どのサービスを受けるかについて決められるように、障害のある人がニーズに合った支援形態、合理的配慮、様々な選択肢をもつことが必要です。

 

段落89

障害のある人とその家族の貧困は、施設収容の主な理由の一つ。国は、障害のある人が適切なふつうの生活を送れるように十分な所得支援を提供すべきです。

 

Ⅶ.他の人と同じようにメインストリームサービスに使う

段落90

脱施設化を計画するときは、メインストリームサービスを障害のある人にとって使いやすくしましょう。国は、メインストリームサービスで障害による差別が起きないようにすべきです。

 

段落91

国は、合理的配慮やメインストリームサービスで、障害のある人を入所施設に入るのを防ぐべきです。

 

段落92

地域に住むために施設サービスを使うことは禁止します。合理的配慮やメインストリームサービスを使ってください。

 

A.施設を退所する準備

段落93

すべての人は、入所施設から出て行く平等な機会をもち、いつでも退所できます。いかなる人も脱施設化から取り残されなりません。

 

段落94 

国は、施設の職員に、人権に基づいた、回復を目指した、本人中心的な脱施設化のアプローチに関する研修を受けさせてください。

 

段落95

入所施設から出て行く人の支援6点。

 

段落96

国は、入所施設から出て行く人に、地域に暮らすために必要な文書(住民票や障害者手帳など)を出してください。

 

段落97

金融、保険機関は障害を理由に利用をことわってはいけません。

 

段落98

施設の職員や法律関係者は、障害のある人が地域で生活する権利や障害のある人に合ったコミュニケーションに関する研修を受けなくてはなりません。入所施設が地域サービスを行ってはいけません。

 

B.地域で自立して生活する

段落99

入所施設から出て行く人には、他の人と同じ権利を保障しなければなりません。

 

段落100 

国は、障害のある人のインクルージョンに関する啓発活動を支援してください.その地域の啓発活動には、施設に住んでいる人や施設から出た人の参加が重要です。

 

段落101

国は、施設を退所した人が交通機関を利用できるようにすべきです。

段落102

国は地域のバリアフリーにすること

 

段落103

国は入所施設から出て行く人に総合的な医療を提供する必要があります。その際、障害の医学モデルの観点ではなくその人の選択、意思、希望を尊重した観点から提供してください。

 

段落104

国は入所施設から出て行く人に対して、他の人と同じように仕事をする機会を提供する必要があります。保護された雇用または分離された雇用を禁止しなければなりません。

 

段落105

入所施設から出て行く人は、ホームレスや貧困に陥る場合があるので、十分な支援が必要です。支援を受けているという理由で社会的制限を受けることはあり得ません。

 

段落106

入所施設から出て行く人はインクルーシブ教育へのアクセスを差別なく持てるようにするべきです。

 

Ⅷ.戦争や災害のときの脱施設化

段落107

パンデミック、自然災害、紛争などの緊急事態の間も、締約国は入所施設を閉鎖するための努力を続け、むしろ早める必要があります。とくに、気候変動が障害のある人、特に施設にいる人たちに大きな影響を及ぼすことを注意。緊急的なお金や復興のための金は、施設収容を継続させるために使われてはなりません。

 

段落108

緊急事態の時でも、脱施設化の計画は進めてください。「あなたは障害があらここにしなさい」とか、法的能力の制限は、緊急時でもやめましょう。

 

段落109

緊急事態の時、脱施設化をどう継続し加速させていくかについての計画は、障害のある人(とくに入所経験がある人)と創りましょう。緊急対応、救援、復興のプログラムや政策の策定、実施、モニタリング、評価のときも、一緒にしましょう。

 

段落110

緊急事態の時は、脱施設化のなかで最も困難なことを優先させましょう。

 

段落111

緊急事態の時は、障害のある女性は、とくに 性別ジェンダーに基づく暴力のリスクが障害のない女性に比べ高く、リハビリテーションセンターや法的救済につながりにくい。性別やジェンダーのことを考えて支援しましょう。

 

 

段落112

緊急事態に備えて、対応計画や復興計画、それへのお金の割り当て、実行には条約の原則に沿って行ってください。

 

段落113

国は、緊急事態の後、施設が再び建てされ、障害のある人を再び入所させたりしないようにしてください。

 

段落114

緊急事態のために、ハザードマップを創ったり、常に障害のある人の情報を集めておくことが必要です。

 

Ⅸ.障害のある人を入所施設に入れさせた国の責任

段落115

障害のある人を入所施設に入れることは、障害のある人がもっている色んな権利を侵害すること(人権の多重侵害)だと、国が自覚することが重要です。

 

段落116

国は、条約と色んな国際的指針に沿って、障害のある人を入所施設に入れた責任をとってください。

 

段落117

国は、施設収容によって引き起こされる被害の実態を調査したり、法令を変えたりする仕組みを創るべきです。また、入所施設にいた人が、法的に救済を求めることができるようにすべきです。

 

段落118

「被害」とは、入所中・退所した後に遭った権利侵害と個人の生活への影響、障害と性別・ジェンダー・人種などが合わさった被害を含みます。それらの被害に対応できる仕組みが必要です。

 

段落119

国は、施設入所を経験した障害のある人を代表するすべてのグループと協議して、入所施設から出た人に正式に謝罪する必要があります。

 

段落120

賠償の方法は、いろいろあります。

 

段落121

国は、施設収容の施策や、入所施設に入れられた人の被害の全容を調査し、国民に分るようにゆっくり丁寧に検討すべきです。

 

段落122

脱施設者のためのすべての救済措置は、障害のある人、とくに入所施設に入れられた人と進めなければなりません。

 

段落123

施設入所に対する保障・賠償をするからと言って、被害を調査し訴追する義務は軽減されません。

 

Ⅹ.脱施設化に関係するデータ

段落124

国は統計・調査・行政データを集め、これらを脱施設化に利用しなければなりません。これは、脱施設化の進捗状況を把握するのに必要です。

 

段落125

どのようなデータを集めるか、言葉の定義、集めたい項目の決定は、障害のある人とやりなさい。

 

段落126

集めるデータは例えば、以下。

人種、出身民族、年齢、ジェンダー、性別、性的指向、社会経済的地位、機能障害の種類、施設収容の理由、入所日、退所予定日または実際の退所日。そして。精神科や精神保健施設にいる人の数と動向、退所義務が果たされたかどうか、何人が退所の選択肢を行使したかなどの状況、まだ施設を出ていない人のための計画に関するその他の情報など

 

段落127

国は脱施設化に関する収集データを広く公開してください。

 

段落128

データ保護の法律は、条約の趣旨と合わせなさい。何故ならば、データを集める際、障害のある人の法的能力を尊重せず、人権の監視および擁護を弱める場合があるからです。

 

XI.脱施設化プロセスの監視

段落129

脱施設化を監視するのは重要です。プロセスは誰からでも分りやすくしましょう。監視機関は国から独立し、国の脱施設化の計画に意見を言うことができます。

 

段落130

監視機関には、障害のある人、特に施設にいる人または入所施設を経験した人、その代表団体も参加しましょう。施設の職員は入ってはダメです。

 

段落131 

監視機関は、十分なお金と権限をもち、施設、文書および情報を制限なく見ることができる必要があります。

 

段落132

脱施設化を監視する団体は、、公営・民間の施設内の状況や人権侵害を自由に調査することを許可されるべきです。この調査は障害のある人ののプライバシーを尊重するものでなければなりません。

 

段落133

国は、監視団体からの情報などから分った人権侵害をいつでも対処すべきです。

 

段落134

施設に入所していた人から「自分の情報がほしい」という申し出た場合、国はその要求を尊重すべきです。

 

段落135

施設から出る際、障害のある人の記録は、本人の意思と希望に応じて、本人に引き渡されるか、抹消されるべきです。

 

段落136

国は、緊急事態の時でも、安全性を確保しつつ、監視を続けることを許可すべきです。

 

段落137

監視は、すべての施設が閉鎖されるまで行われるべきです。その活動には、障害のある人、特に施設に入れられた人、その代表団体、および独立した市民団体も参加できなければなりません。

 

XII.国際協力

段落138

脱施設化を支援するためには、国際協力が重要です。但し、施設へのお金は障害者権利条約の趣旨に合っていないためやめてください。

 

段落139

どのような国際協力が行われているかを広く伝えることは、施設の要望を無くすために必要です。

 

段落140

国際協力のお金でやる開発プロジェクトの計画と実施は、障害のある人(とくに施設にいる人、施設に入れられた人)とその団体と協議してください。

 

段落141

国際協力は、ずっとは行うことができないため、国にとって、脱施設化を自国にとって持続可能なものにならなければなりません。

 

段落142

地域の団体は、国際協力の一環として、脱施設化をすすめるのに重要な役割を果たすことができます。

 

段落143

各国の脱施設化を支援する国際的な調整は、悪い実践(障害の医学モデルの手法や強制的な精神保健法を推進するなど)が繰り返されることを防ぎ、優れた実践を集めるために重要です。この調整を行う場所を創るべきです。



                  *  Adopted by the Committee at its twenty-seventh session (15 August–9 September 2022)

                      委員会         27回会期(2022815日~99日)にて採択

5-1J 個人通報制度(2020年スペイン)

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連の障害者権利条約個人通報制度

■個人通報制度とは?

​ 人権侵害を受けた被害者が国を相手に国連障害者権利委員会に訴える制度です。障害者権利条約選択議定書に定められていますが、日本は批准していません。
 

■いままでに出された見解

​・スペインの団体が個人通報制度を利用した事例

 親の意思に反して、ダウン症の子どもが特別支援学校に措置されたことは、障害者権利条約違反であると、障害者権利委員会が判断した。
 

◎障害者権利委員会がインクルーシブ教育の権利をめぐってスペインの条約違反を認定、2020年8月28日

 出典(英文:国連HP)

「国連人権専門家は、スペインは障害者に対してインクルーシブ教育を保障しなければならないと、述べている」2018年9月30日(CRPD in Japan訳)

​ 出典(英文:国連HP)

4-7J 脱施設化について

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脱施設化に関する動き

 脱施設化とは、ざっくりいうと1950年代以降、障害者をはじめとした様々な市民団体が強く訴えてきた、「自分たちを施設に閉じ込めるな」等とする主張のこと。具体的には、障害者の脱施設化では主に次の3点を求めています。

  • 自分の地域で自分らしく暮らす

  • 強制的な入所を終わらす

  • 入所するのを防止する

 

 脱施設化とインクルーシブ教育は、まさに車の両輪であり、インクルーシブ教育の実現には脱施設化が必須です(一般的意見第4号のパラグラフ66参照)。脱施設化の動きは近年再び、世界的に高まっています。

 ここでは、国内外の動きを随時まとめていきます。

●国内

日本の脱施設化は、障害当事者による地域サービスを充実させる運動が原動力になっている。具体的には障害種別によらない介助サービスの充実である

  • 1962年 国が家庭奉仕員派遣事業
  • 1974年 東京都で「脳性麻痺者介護人派遣事業」が始まる。
  • 1980年初頭 全身性障害者介護人派遣事業になっていく

  • 1982年 都で「自薦登録ヘルパー」の取組)

  • 1990年 ホームヘルプサービス事業(家庭奉仕員派遣事業の廃止)

  • 1997年 東京都独自の派遣事業を「全身性障害者介護人派遣サービス事業」にして全国展開

  • 2006年 上記派遣事業が重度訪問介護になる

  • 2014年 重度訪問介護の対象に知的障害、精神障害が加わる

  • 2014年2月 障害者権利条約に批准 第19条(地域生活)と一般的意見第5号に沿った政策が求められる。

  • 2015年 映画『インディペンデント・リビング』公開

●国外

2024年3月24日日曜日

4-5J 川崎裁判について

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川崎市障害児就学訴訟について

●概要

2018年4月で小学校に入学する子どもとその保護者2名が、障害を理由に地元の公立小学校への就学を認めないことは違法だとして、2018年7月11日に川崎市と神奈川県を相手どり、横浜地裁に訴訟を起こした。
その子どもは先天性ミオパチーと診断されており、筋力が弱く、車椅子で行動している。また、人工呼吸器をつけており、たんの吸引などの医療ケアが必要である。そのため、就学するうえでもそのような医療ケアは必要となる。
 保護者は子どもを地域の普通学校へ通わせてやりたいと考え、また主治医から「地元小学校へ通学可能」だと聞き、地元小学校への進学を2017年11月に希望した。しかし、2018年2月に川崎市教育委員会は「特別支援学校での専門的教育が必要」だとし、3月には神奈川県教育委員会が子どもの就学先を特別支援学校と指定した。子どもの父親は2020年9月12日の第一回口頭弁論でなぜ市教委は特別支援学校でなければ安心安全に過ごせないと断定したのかと疑問を述べていた。

●1審判決

 横浜地方裁判所は2020年3月18日、就学先を特別支援学校に指定したのは違法だとして神奈川県および川崎市を訴えた原告の主張を退けた。
 判決では、障害者権利条約について触れられていない。どうすれば障害者権利条約の意図に沿うように原告が普通学級に就学できるのかは全く検討されなかった。証人尋問で述べられていた合意形成の過程も、検討されなかった。傍聴者からは「北海道では今年、特別支援学校から普通学校へ転校できた人がいる。なぜ川崎市はダメなのか」といった意見が出た。原告は控訴している。現在、原告は東京都に引っ越し普通学校に通っている。

 →判決の内容

●抗議・声明文など

〇テレビ

・NHKハートネットテレビ「ぼくは学校に行きたい ~医療的ケア児とインクルーシブ教育~」記事公開日:2020年03月13日

https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/324/

 

〇新聞記事

・2020年3月14日 神奈川新聞「共生を求めて(1)子どもの輪に入りたい」https://www.kanaloco.jp/news/social/entry-299372.html

 

・2020年1月9日 神奈川新聞「『共生の機会奪ってる』障害児就学訴訟が結審、3月判決」https://www.kanaloco.jp/news/social/entry-239175.html

 

・2020年3月19日 東京新聞 「障害児の希望校、認めず 就学先指定『差別なし』横浜地裁判決」https://www.tokyo-np.co.jp/article/17481

 

・2020年7月14日 朝日新聞デジタル(有料会員記事)「8歳の願い、世田谷に転居で実現 人工呼吸器で公立小へ」https://www.asahi.com/articles/ASN7F75SYN7FULOB00Y.html

 

・2020年10月23日 朝日新聞デジタル「医療的ケア児、就学先めぐり平行線 両親と相模原市教委」https://www.asahi.com/articles/ASNBQ6W42NB1ULOB01V.html

 

・2020年12月15日 神奈川新聞 「原告『共に学ぶ機会、川崎市が奪った』重度障害児就学訴訟」https://www.kanaloco.jp/news/social/article-335191.html

 

・2020年12月24日 毎日新聞(有料記事) 回想2020 「相模原事件と川崎市立小の就学拒否 「共生社会」はどこに 障害者/健常者、排除されぬ壁」/神奈川神奈川

https://mainichi.jp/articles/20201224/ddl/k14/040/107000c

〇特集記事

・2020年3月20日 ダイヤモンド・オンライン「『人工呼吸器でも普通学級で学びたい』重度障害児の訴えはなぜ退けられたか」福原麻希  https://diamond.jp/articles/-/232335

 

・2020年12月31日 ダイヤモンド・オンライン「普通学校の医療的ケア児受け入れ、川崎市でなく世田谷区で可能だった理由」福原麻希 https://diamond.jp/articles/-/258251

 

・2020年7月21日 参議院議員船後靖彦オフィシャルサイト「呼吸器をつけた児童の転校について」https://yasuhiko-funago.jp/page-200717/

●報道