この調査は、権利侵害を受けている子どもに関する大規模な国際調査です。障害児については第12章。しかし、第1章で子ども期に自由が奪われるとどうなるか等が詳述されており、全部おすすめします。しかし800ページ以上あり、日本語訳が見当たりません。どこかにあると思いますが、探し切れていないだけと思います。
まずは紹介をしようと思います。私も障害当事者の視点で少しずつ訳していく予定です。
(以下は「UN Global Study on Children Deprived of Liberty - Global Campus of Human Rights、https://gchumanrights.org/research/projects/un-global-study/about.html」から要約翻訳)。
・啓発アニメーション
YouTube「Animated film on the UN Global Study on Children Deprived of Liberty」
https://www.youtube.com/watch?v=-M-leMlXkHA
「自由を奪われた子どもに関する国連グローバル調査」(2019)は、Manfred Nowakが行った包括的な調査である。世界中の専門家や団体がチームになって274名の子どものインタビューを実施。調査は次の6つの環境でくらす、自由を奪われた子どもについて検討している。①未成年の司法、②保護者を伴った留置、③移民を理由にした留置、④施設、⑤武装紛争、⑥国家安全保障の文脈。
また調査では、子どもの視点・観点を重きに置くとともにジェンダーの観点や、健康や障害のある子どもの影響に着目した。7百万以上の子どもたちが現在、自由を奪われたところで暮らしている。本調査は、関連する具体的な領域のことに加え、広範囲にわたる提言を述べている。
この調査のフォロアップとして、提言を実施するための活動はたくさんみられる。
理論的根拠、背景、主なデータ
子ども時代は、個性、他者との感情的な関係、社会的・教育的なスキル、才能を構築する時期である。彼らの自由を奪うことは、彼らの子ども時代を奪うことを意味する。子どもの権利条約第37条(b)は、子どもの自由の剥奪(法律に従った逮捕、拘留、拘禁)は「最後の解決手段として最も短い適当な期間のみ用いること」とされている。
この状態に対応するべく、国連総会は2014年12月、事務総長に自由を奪われた子どもに関する詳細なグローバル調査をする委員会を申し入れた。2016年10月、Manfred Nowakが本調査を主導する独立的な専門家として指名された。彼は2019年10月8日、調査の最終的な要約レポートを総会に提出し発表した。その翌月の19日には彼のチームはわかりやすい版をジュネーブで発表している。
調査は政府各国や、次のような機関や団体とともに行い、テーマ・国・地域別のヒアリングを実施した。
· OHCHR
· UNICEF
· UNODC
· UNHCR
· IOM
· WHO
· 子どもの暴力に関する事務総長の特別代表
· 子どもと武装紛争のための事務総長の特別代表
· 子どもの権利委員会
· 170以上の市民団体と学術団体( Global Campus of Human Rightsが主導)
本調査は、自由の剥奪の状況下でくらす子どもにおける次の6環境を調べた。
· 司法行政
· 保護者ともに刑務所でくらす子ども
· 移民
· 施設
· 武装紛争
· 国家安全保障
自由を奪われた子どもは、各政府が法的に認知している件数を合わすと年間150万人だが、事実上720万人いることが分かった。(施設では法的には67万人に対し、事実上540万人)。
この調査は、世界中の異なる地域における各環境の主な知見を示し、付随する提言を実施するベストな方法について議論するのに欠かせなかった。発表以降、本調査を広く知らせる活動が行われている。
Manfred Nowak による講演(見えない問題を見えるようにする大切さが分かります)
https://www.youtube.com/watch?v=QWyRaeitYdU
2021/11/29
DRI(Disability Rights International )2021キャンペーン
Disability Rights Internationalは2021年、子ども権利委員会の2021一般討議日を障害分野から啓発するため、かぞくと暮らすことの権利を守るキャンペーンを行った。キャンペーンのページには次のように書かれている。
少なくても世界中で約1千万の子どもが、かぞくの愛と養育を受けず施設で育っています。公的資金やキャリティで年間100億ドルのお金が孤児院、施設介護、グループホームに流れています。DRI の複数の報告書ではこれらの子どもの虐待、ネグレクト、人身売買の詳細を記録してきました。すべの子どもが、孤児院やグループホームではなく、かぞくと一緒に暮らし育つ権利があり、その機会を持たなければなりません。
本キャンペーンでは、署名運動(世界200筆以上)や、以下のウェビナーを開催した。
・障害のある子どものためのグループホーム?障害者権利の観点から(2021年9月7日)
(Group homes for children with disabilities? Disability rights perspectives. Symposium)
・かぞく生活を送る権利を守りすべの子どもの施設収容を防ぐ。課題と解決(2021年9月8日)
(A
Call to Action to protect the right to family life and prevent
institutionalization for all children. Challenges and solutions)
上記2つの動画はこちらから
・世界的な論争:国際人権の実施。小規模グループホームの孤児院に取って代わるもの
(A Global Controversy: International Human Rights Implications of Replacing Orphanages with Small Group Homes)