ここでは、特別支援教育について解説します。制度を知った上で、障害者権利条約に合致しているか見ていきましょう!
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●特別支援教育とは
日本の障害児教育施策の「特別支援教育」は,次のように定義されています。(文部科学省通知、「特別支援教育の推進について(通知)」,2007年4月)
「特別支援教育」とは、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うもの
■4形態がある
特別支援教育は、次の4形態があります。
(文部科学省HP「2.特別支援教育の現状」、ttps://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/002.htm、アクセ日:2020/12/11)
1. 特別支援学校
障害のある幼児児童生徒に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けること目的とする学校。
【対象障害種】
視覚障害者,聴覚障害者,知的障害者,肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)
2.特別支援学級
小学校、中学校等において以下に示す障害のある児童生徒に対し、障害による学習上又は生活上の困難を克服するために設置される学級。
【対象障害種】
知的障害者、肢体不自由者、病弱者及び身体虚弱者、弱視者、難聴者、言語障害者、自閉症・情緒障害者
3.通級による指導
小学校、中学校、高等学校等において、通常の学級に在籍し、通常の学級での学習におおむね参加でき、一部特別な指導を必要とする児童生徒に対して、障害に応じた特別の指導を行う指導形態。
【対象障害種】
言語障害者、自閉症者、情緒障害、弱視者、難聴者、学習障害者、注意欠陥多動性障害者、肢体不自由者、病弱者及び身体虚弱者
4.通常の学級
小学校、中学校、高等学校等にも障害のある児童生徒が在籍しており、個々の障害に配慮しつつ通常の教育課程に基づく指導を行う
また、各形態では、少人数学級編成、交流及び共同学習を行っている
■自立活動とは
(特別支援学校・学習指導要領解説 自立活動編を参考)
特別支援教育では、「自立活動」が重要な位置を占めています。
自立活動とは、上記の定義の後段部分「障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授ける」こと。
具体的には
個々の幼児児童生徒が自立を目指し,障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識,技能,態度及び習慣を養う指導。
またその内容は、大きく6つ。
「健康の保持」,「心理的な安定」,「人間関係の形成」,「環境の把握」,「身体の動き」,「コミュニケーション」